ディズニー映画のピノキオを見たことがある方にお聞きしたいのですが…
ジョン・ワシントン・ファウルフェロー(正直ジョン)の名前の由来、気になりませんか?
ジョンの部分については「ジョンってよくある名前じゃん」と言われてしまうかもしれませんが、それが逆に不思議なのです。
以前からずっと気になっていたのですが、先日由来の説となりそうなものを見つけたため、こちらに書かせていただきます。
- ジョンという名前のどの辺が不思議なのか
- 「ジョン」の由来のヒントに出会う
- なぜジョン・ワシントン・ファウルフェローだけ名前が長いのか
- 「ファウルフェロー」はどこから来たか
- 「ワシントン」はどこから来たか
- まとめ
ジョンという名前のどの辺が不思議なのか
なぜ不思議なのかというと、ディズニー版ピノキオに登場する人物の名前のほとんどは「イタリア語」または「由来が分かりやすいもの」だからです。
しかし、ファウルフェローの名前はこのどちらにも当てはまりません。
ジミニークリケットは英語で「なんてこった!」という意味の古い表現です。
ギデオンはヘブライ語でまさかの「破壊者」という意味です。
何かとすぐにハンマーを使おうとする凶暴さから来ているのでしょう。
また、原語版のファウルフェローはギデオンのことを「Giddy」と呼んでいます。
これはたぶん「Kitty(子猫ちゃん)」とかけているので、それも踏まえた上で付けられた名前だと思われます。
フィガロはイタリアの人名です。
オペラ「フィガロの結婚」のフィガロから来ているのでしょうか?
フィガロは英語の「figure(人形)」の語源とも言われており、人形であるピノキオとかけているのかもしれません。
いずれにせよ「ピノキオ」のキャラクター名は、どれも検索したら一番上にこの映画の話題がヒットするような珍しい名前ばかりですよね。
でも、ジョンは言うなればすごく普通の名前です。
フルネームになればまた話は別ですが…そもそもフルネームがあるのも不思議です。ほとんどみんな名字無いのに…
また、イタリアでジョンに相当する名前はJohnではなくGiovanni(ジョバンニ)だったりもします。
絶対何か意味があると思った筆者は、その謎を解明すべくアマゾンの奥地へと向かいました。
「ジョン」の由来のヒントに出会う
先日、「ジョン・ドウ」という英語特有のとある名前を知りました。
この名前は誰かを指す固有名詞ではなく、ある意味を持った言葉です。
ジョン・ドウ(女性はジェーン・ドウ)は、日本で言う「名無しの権兵衛」のこと。
名前不明の人物に付けられる架空の呼び名なのです。
さて、ピノキオの話に戻ります。
「ジョン」が英語における「名無しの権兵衛」ということは…
「ピノキオ」の正直ジョンは、「架空の呼び名(≒偽名)」として「ジョン」と名乗っている可能性がないでしょうか。
「正直ジョンはジョン・ドウが由来説」をより正確に言うと、以下二つの説が挙げられます。
- 正直ジョン自身がジョン・ドウの意味から名前を借りて「ジョン」と偽名を名乗っている
- ピノキオという映画の設定上ジョンは本名だが、ディズニーのアニメーターがジョン・ドウから名前を取って付けた
正直ジョンは詐欺師なのにピノキオやコーチマンの前で名前を名乗りまくっていて大丈夫なのかな?と思っていましたが(コーチマンだって名前を隠していますし)、前者が合っていればこの辻褄も合います。
そこまで深く考えていないと言われればそれまでなのですが、ピノキオのキャラクターの名前はほとんどに由来がある(と思われる)ため、ここまで考えられていてもおかしくはないように思えます。
2022年10月追記
深読みしすぎてしまいましたが、意外と答えはシンプルでした。
英語圏には「honest john」という慣用句がもともと存在するそうです。
意味は「正直な男性」。「john」なのはジョン・ドウの由来と同じく、johnが代表的な男性名であるからとのことでした。
ジョンの部分は割と直球な由来があったのですね。
なぜジョン・ワシントン・ファウルフェローだけ名前が長いのか
また、ほとんどのキャラクターが名字のない名前だけなのに対しジョン・ワシントン・ファウルフェローというおしゃれな名前がついているというのも正直ジョンの面白いところだと思います。
仰々しいほどおしゃれな名前をつけることで、逆に胡散臭さを演出しているのかもしれませんね。
「ファウルフェロー」はどこから来たか
ちなみに、ファウルフェローは「ジョン」の部分よりも明確な由来があります。
ファウルフェローは英語で書くと「foul fellow」。
「foul」は「卑劣な」、「fellow」は「やつ」なので「卑劣なやつ」という意味になります。
「ワシントン」はどこから来たか
ワシントン(Worthington)という言葉、アメリカの首都ワシントンD.C.(Washington, D.C.)のワシントンと同じ綴りかと思ったら違うのですね。
Worthingtonは、人名として使われる固有の言葉のようです。
他のもの以上にこじつけっぽくはなってしまいますが、こちらについてもひとつ予測した説があります。
Worthingtonには「worth」という英語が入っていますよね。
また、Worthington(ワシントン)は全体で見ると「worth it」(ワースイット)という言葉にも音が似ています。
worthは「価値」や「値打ち」、worth itは「それは価値がある」、「それだけの価値がある」という意味になります。
「価値」や「値打ち」というワード、どことなくお金が好きなファウルフェローを想起させないでしょうか。
または、おしゃれなハットやマントで着飾っている自分のことを「価値がある」と自称しているようにも思えます。
もしかしたらワシントンは、worthという単語から来ているのかもしれませんね。
あとジョン・ワシントンって名前、(73年後の映画ですが)モンスターズ・ユニバーシティのジョニー・ワシントンに似てるな〜と思っていましたが、絶対偶然です。
まとめ
今回の内容をまとめると、
- ジョン(John):英語で「名無しの権兵衛」にあたる「John Dou」(ジョン・ドウ)から?
- ワシントン(Worthington):「worth」(価値)、「worth it」(それは価値がある)とかけている?
- ファウルフェロー(foulfellow):「foul」(卑劣な)+「fellow」(やつ)で「卑劣なやつ」
ということになります。
ほとんどすべて予測ですが、こんな意味があったらいいなというファウルフェローの名前考察もどきでした。