タワーオブテラーはなぜ怖いのか?
フリーフォールとしての怖さに付け加えた、ディズニーならではのこだわり抜いた恐怖演出と仕組みに注目してみます。
- 仕組み1:落ちるタイミングが掴めない
- 仕組み2:閉ざされた空間
- 仕組み3:高さの錯覚
- 仕組み4:悲鳴
- 仕組み5:ストーリー・恐怖演出
- 仕組み6:壁が近い
- 仕組み7:暗闇
- 仕組み8:ある部分で流れる、奇妙な音響
仕組み1:落ちるタイミングが掴めない
タワーオブテラーは一度落ちて終わりではなく、小刻みに何度か落ちます。
ライドの性質上、レールはもちろん見えません。
このような「次に何が起こるかわからない」という動き方が恐怖を増長させています。
仕組み2:閉ざされた空間
閉所恐怖症という言葉がある通り、人間は閉ざされた空間を恐れます。
タワーオブテラーは一般的なジェットコースター・フリーフォールと違い、エレベーターという閉ざされた箱の中に乗車します。
この点もまた、「逃げられない」という恐怖を煽っています。
仕組み3:高さの錯覚
ホテルハイタワーの高さは59m。
入り口に近づいて見上げると、かなりの迫力がありますよね。
それを見ると、「こんな高い建物の上から落ちるのか…」と怖くなります。
ライド中は外が見える場面もあるため、そこでもまた「高所から落下する恐怖」を感じずにはいられません。
しかし、実際にゲストが上昇する最大の高さは約38m。
実際にホテルの頂点から落下するわけではありません。
しかも一気に落下することはなく、小刻みに落下するため、落ちる高さによる恐怖は実際少なめです。
建物の見た目によって「高所からの落下」を連想させている点も、恐怖演出の一つです。
仕組み4:悲鳴
絶叫系が苦手な人ならば、タワーオブテラーに近づいた際聞こえてくる悲鳴に絶望した経験があるはずです。
あの悲鳴も、タワーオブテラーの怖さを外のゲストに連想させる恐怖演出の一つ。
ちなみに悲鳴は、「録音した音声」または「中の悲鳴をマイクで増強させている」という説が有力です。
どちらにせよ、悲鳴を外に届かせることで外にいるゲストの恐怖を増強させていることには間違いありません。
仕組み5:ストーリー・恐怖演出
「呪われたホテルオーナーの後を追って、オーナーが消えた乗り物であるエレベーターに乗り込む」
ここまでこだわり抜いた設定のあるフリーフォールは他にないでしょう。
ホラー要素のあるストーリーやプレショーを設けることで、恐怖感をアップしています。
こうすることで、物理的恐怖だけでなく心霊的恐怖も煽るのがタワーオブテラーのこだわりです。
仕組み6:壁が近い
タワーオブテラーに乗っていると気づくのが、「エレベーターと壁の距離が非常に近い」ということ。
これもまた、恐怖を煽る演出の一つです。
電車から窓を見ていると分かるように、近くのものは遠くのものより早く通り過ぎます。
つまり、壁が遠いよりも近い方がよりハイスピードに上昇・落下しているように感じるということ。
目の錯覚によって、より恐怖感を増しているのですね。
仕組み7:暗闇
タワーオブテラーは室内型のフリーフォールとなっており、終始内部は真っ暗です。
人は本能的に暗闇を恐れるようにできているため、ここでもまた恐怖を感じてしまうのです。
仕組み8:ある部分で流れる、奇妙な音響
写真が撮られる直前の急上昇のシーンで、奇妙な音が聞こえると感じたことはありませんか?
タワーオブテラーでは、最も恐怖が高まるあのシーンで「ヒュォォオオオオオ……!!!」というどんどん音階が上がっていく形容しがたい効果音が流れます。
意識することは少ないものの、あの音もかなりの恐怖を煽る要因となっています。