出典:ピクサー「Tin Toy」「アーロと少年」「ミスター・インクレディブル」「トイ・ストーリー」
この記事では、ピクサー作品に見られる衝撃的・ブラック・不気味なシーンを7個紹介します。
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- 腐った食べ物で狂気の幻覚を見る「アーロと少年」
- 救いようのないラスト「レッズ・ドリーム」
- 残酷すぎる最期「ミスターインクレディブル」
- 未発達なCGが生み出した不気味の谷「ティントイ」
- ウッディの悪夢「トイストーリー2」
- メーターが時計台で夢を見るシーン「カーズ2」
- スクリーンスレイヴァ―はまだそこにいる「インクレディブル・ファミリー」
腐った食べ物で狂気の幻覚を見る「アーロと少年」
1つ目は、「アーロと少年」より主人公アーロとスポットが腐った果物を食べて不気味な幻覚を見るシーンです。
道端に落ちていた果物を食べていたところ、その果物が腐っていることに気づいた2人。
その途端スポットの顔が膨れ上がり…
出典:ピクサー「アーロと少年」
アーロの目が増え始め…
出典:ピクサー「アーロと少年」
ゲラゲラと笑いながら空を飛びまわります。
出典:ピクサー「アーロと少年」
「アーロと少年」の監督ピーター・ソーン氏は、 自身が現在の道に進むきっかけとなった作品として ディズニー映画「ダンボ」を挙げています。
出典:ディズニー「ダンボ」
ダンボといえば、 「ピンクの象」という有名なトラウマシーンがある映画。
こちらはダンボたちがうっかりお酒を飲み、 不気味な夢を見るという内容でした。
腐った食べ物で幻覚を見るシーンは、 ピンクの象へのリスペクトなのかもしれません。
救いようのないラスト「レッズ・ドリーム」
2つ目は、ピクサーの短編「レッズ・ドリーム」の暗すぎるオチ。
その内容は、 売れない自転車ショップの一輪車がようやく日の目を浴びるも、 すべて夢だったと気付き暗い店の隅へと戻っていく というもの。
ピクサーではレアな、かなり救いようのない話でした。
値下げの札を下げられ、隅に追いやられる一輪車。
彼が日の目を浴びる日は来るのでしょうか。
出典:ピクサー「レッズ・ドリーム」
ジョン・ラセターはこの作品を作った頃を、 「ピクサー青の時代(陰鬱・孤独で不安な時代)」と呼んでいます。
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残酷すぎる最期「ミスターインクレディブル」
3つ目は「ミスター・インクレディブル」より、ヴィランズ「シンドローム」の死亡シーン。
出典:ピクサー「ミスター・インクレディブル」
彼はジェット機でスーパーヒーロー家族の家に現れ、一家の一員である赤ん坊をさらおうとします。
しかしそこへ家族がやってきて、父親のボブに自動車を投げつけられます。
自動車はシンドロームにヒット。
吹き飛ばされたシンドロームは、ジェット機のエンジン部分にマントを引き込まれます。
逃げ出そうと足掻きますが、結局吸い込まれてしまい…
出典:ピクサー「ミスター・インクレディブル」
彼は 「ジェット機のエンジンに吸い込まれ、 (おそらくバラバラになって)死亡」という衝撃的な最期を遂げます。
ピクサーのヴィランズの中で最もグロテスクな死に方ではないでしょうか。
ちなみにシンドロームは、自身が唯一のヒーローとなるために大勢のヒーローを暗殺したとんでもない悪役でした。
最終的には幼い赤ん坊をさらおうともした人物。
残酷なこのシーンですが、彼にとってふさわしい最期だったのかもしれませんね。
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未発達なCGが生み出した不気味の谷「ティントイ」
4つ目は、 ピクサー短編「ティン・トイ」に登場する赤ちゃんのシーン。
出典:ピクサー「Tin Toy」
ピクサーのキャラクターは現在でこそかわいらしいですが、当時はまだ技術が追いついておらず、CGで愛嬌のある人間キャラを作り上げるのは至難の技でした。
それゆえにこの頃の人間キャラクターは、 不気味の谷に落ちたホラーチックな見た目のものが多くいました。
出典:ピクサー「Tin Toy」
怖い顔の赤ちゃんに追いかけられるシーンは、 なかなかのインパクトがあります。
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ウッディの悪夢「トイストーリー2」
5つ目は、「トイ・ストーリー2」より ウッディが悪夢を見るシーン。
腕が壊れてしまったウッディは、ある悪夢を見ます。
それは、「腕が壊れた人形はいらない」とアンディに捨てられる夢でした。
ゴミ箱に捨てられ、壊れたおもちゃに引きずり込まれていきます。
「アンディに捨てられる」というウッディが抱える恐怖を如実に表すシーンでした。
仲間のおもちゃが スペードのエースしかないトランプで遊んでいるこのカットも、なんともいえない不気味さがありますね。
ちなみにスペードのエースは、 古くより「死」を意味するとされるカードです。
余談:ピノキオにおけるスペードのエース
ピクサーから少し脱線しますが、スペードのエースの表現はディズニー映画「ピノキオ 」でも使われていました。
ピノキオを誘拐する狐のヴィランズ「正直ジョン/ファウルフェロー」は、ピノキオに「プレジャーアイランドのチケット」と称してトランプを渡します。
出典:ディズニー「ピノキオ」
ピノキオが訪れたプレジャーアイランドは、「悪いことが好きなだけできる代わりに、遊んでいるとロバになってしまう遊園地」。
ロバになった子供たちは、そのまま売り飛ばされ一生強制労働を強いられることになります。
フェローが手渡したトランプの柄は、スペードのエース。
ヴィランズとしては愉快で陽気な面の目立つフェローですが、その意味を知るとゾッとしますね。
メーターが時計台で夢を見るシーン「カーズ2」
続いては、カーズ2のメーターが悪夢を見るシーンです。
ホラーというよりは精神的ショックの描写がすごいシーン。
自信を失ったメーターは、「自分が恥をかいた思い出」「自分のせいで親友に迷惑をかけてしまった思い出」を夢に見ます。
さまざまな辛い記憶がサブリミナル的に挟み込まれるこのシーンは、悲しくも不気味なものがあります。
とくに最後のゴングを鳴らす音が時計台の音と重なって目覚める場面が良いですね。
夢ならではの混沌さと「夢の中で鳴っている音と現実で鳴っている全然関係ない音がリンクして目覚める」という夢あるあるを再現しています。
スクリーンスレイヴァ―はまだそこにいる「インクレディブル・ファミリー」
最後は、「インクレディブルファミリー」のワンシーン。
主人公一家の一人、スーパーヒーローのヘレンは謎の敵「スクリーンスレイヴァー」の計画を阻止することに成功します。
人々の命を救い、称えられるヘレン。
集まった民衆の中に、ボードを持った少女を見つけます。
「なんて書いてあるの?」少女がヘレンに見せてきたボードには、こう書かれていました。
「スクリーンスレイヴァーはまだそこにいる」
出典:ピクサー「インクレディブル・ファミリー」
笑顔の少女と、ボードに書かれた言葉の強烈なギャップ。
何よりこのシーン、考えれば考えるほど訳が分からなくて怖いのです。
この少女はサブキャラクターであり、このシーンの前後には一切登場しません。
スクリーンスレイヴァーはスクリーンを見た人間を操ることができるため、この少女も操られている可能性はあります。
しかし、少女の様子を見るとそうとも思えないのです。(実際、この近くにスクリーンを用意できるような場所も見当たりません)
一体この少女はなんなのか、なぜ笑顔でそんなボードを持っているのか、そこは全く明かされません。
明るいシーンであるために余計に不気味です。
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